金沢地方裁判所 昭和52年(わ)21号 判決
判決主文
被告人を懲役八月及び罰金六〇〇万円に処する。
右罰金を完納することができないときは、金一万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。
この裁判確定の日から二年間右懲役刑の執行を猶予する。
(適用した罰条)
判示各所為 刑法六〇条、所得税法二三八条一項、一二〇条一項三号(懲役刑と罰金刑を併科)
併合罪処理 刑法四五条前段 懲役刑につき同法四七条本文、一〇条(判示第二の罪の刑に加重)罰金刑につき 同法四八条二項 労役場留置 同法一八条 懲役刑の執行猶予 同法二五条一項
(罪となるべき事実)
被告人は、金沢市尾張町一丁目一〇番一三号所在中山ビルにおいて歯科医院を営むものであるが、自己の所得税を免れようと企て、中山佐一郎と共謀のうえ、自由診療収入金の一部を除外して、加州相互銀行本店等の金融機関に、架空名義又は無記名預金を設定し、又は、歯科用貴金属材料の仕入を過少に計上し、たな卸を隠匿する等の不正行為により、その所得の一部を秘匿したうえ、
第一 昭和四八年分の実際所得が、事業所得三八、一一六、〇五三円、分離長期譲渡所得六、二八一、二四二円あったのにかかわらず、昭和四九年三月一五日、金沢市彦三町一丁目一五番五号所在の所轄金沢税務署において、同税務署長に対し、同年分の所得が、事業所得一七、〇九八、六〇六円、分離長期譲渡所得六、七二五、一〇〇円であり、これらに対する所得税額が五、八二三、〇〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、同年分の正規の所得税額一八、一五八、九〇〇円と右申告額との差額一二、三三五、九〇〇円を免れ、
第二 昭和四九年分の実際事業所得が、四五、五五四、三五七円あったのにかかわらず、昭和五〇年三月一五日、前記金沢税務署において、同税務署長に対し、同年分の事業所得が五、三五六、六九四円であり、これに対する所得税額が社会保険診療報酬にかかる源泉徴収税額を控除すると、二、〇一七、六八八円の還付金となる旨の虚偽の所得税額確定申告書を提出し、同年四月一日右還付金の返還を受け、もって同年分の正規の所得税一八、六九八、六〇〇円と右還付金との合計額二〇、七一六、二八八円を免れたものである。
裁判所書記官 松本仁実
(裁判官 河合長志)